勃起不全(ED)とは

勃起不全(ED)とは、満足な性交を行うのに十分な勃起が起きない、または勃起しても維持できず性交を最後まで終えられなくなる疾患です。「勃起機能の低下」を意味するErectile Dysfunction(エレクトル・ディスファンクション)の頭文字を略したED(イーディー)という呼び名が一般的に用いられています。

男性なら誰にでも起こる可能性のある一般的な疾患です。日本国内の勃起不全を発症している男性の数はおよそ1,130万人と推計されています。多くの割合を占めるのは40〜70歳の中高年や高齢者ですが、30代以下の若い男性でもEDは起こります。男性にとって性生活の深刻な悩みの元になる障害です。

勃起不全(ED)の症状

勃起不全は、性的な刺激を受けても男性器が正常に勃起しない障害です。勃起不全だと考えられる男性には以下のような症状が起きます。

勃起が全く起きない
ときどき勃起しない時がある
硬さが足りずうまく挿入できない
挿入中に途中で萎えてしまう
勃起が長く続かない

勃起は、性的な刺激を脳が受けとった後で神経を通って男性器に伝わり、海綿体や血管が広がることで起きます。勃起に関わる血管や神経が正常に働かなくなると男性器の海綿体に十分な血液が流れ込まず、結果として十分な勃起の硬さが得られなくなります。
勃起不全は症状の頻度が多くなるほど重症度が高いと判断されます。一時的でも上記の症状のような経験がある方は、勃起不全を発症している可能性があります。
自慰や朝勃ちなどでは問題ない場合でも性交の時には勃起しない、または硬さが続かなければ勃起不全だと考えられます。

勃起不全(ED)の主な原因

勃起不全の症状は、男性器の血管や神経の伝達などの異常によって起きることが大半です。様々な要素が勃起不全の原因になります。
主な原因には以下の項目があげられます。1つでも該当する場合、勃起不全をリスクを否定できません。

  • 加齢
  • 糖尿病
  • 肥満と運動不足
  • 心血管疾患および高血圧
  • 喫煙
  • 慢性腎臓病
  • 下部尿路症状
  • 神経疾患
  • 外傷および手術
  • 心理的な要素や精神疾患

主な原因として男性器の海綿体を広がりづらくする血管の障害が考えられます。その中で身体機能を衰えさせる加齢は、勃起不全の最も重要な原因だと言えます。
加齢以外にも糖尿病や高血圧、高脂血症などの生活習慣病は、血管障害のリスクが高く勃起不全の原因となります。

男性ホルモンの維持という点でも加齢は大きな影響を与えます。加齢に伴って男性ホルモンのテストステロンは分泌量が減少します。テストステロンは男性の性欲や肉体の維持に欠かせないホルモンです。テストステロンの減少は勃起不全の原因となるため、何らかの方法で維持が必要です。

また、血管の障害が起こりづらい若い男性でも、精神的な要因による勃起不全のリスクがあります。ストレスや自信喪失、性交に対する過度の不安などの要素だけでなく、精神疾患の治療のために使う抗うつ剤なども勃起不全の原因となります。

このように勃起不全の原因は多岐にわたり、様々な要素が組み合わさって発症します。

勃起不全(ED)にある4つの種類

勃起不全には、発症の仕組みや原因から4種類の名称に分けられています。その場合、主に以下の4つの名称で呼ばれることが多いです。

  • 心因性ED
  • 器質性ED
  • 混合性ED
  • 薬剤性ED

同じ勃起不全ではありますが、種類ごとに対処方法がことなります。
EDの種類によっては改善も期待できますので自分のEDの原因を一度考えてみましょう。

勃起不全(ED)の治療

勃起不全の最も一般的な治療法は、バイアグラやレビトラ、シアリスなど勃起を補助するED治療薬の使用です。
勃起不全は様々な要素が組み合わさって発症する疾患です。原因の特定が難しく、特定できても取り除くことが難しい場合があります。
そこで行われているのがED治療薬による対処療法です。

ED治療薬は、男性器の周辺の血管を拡張させる効果で自発的な勃起をサポートします。大半の勃起不全に有効であるため、原因不明な場合を含めて症状の改善を期待できます。原因によってはED治療薬を使用しながら性交することで改善する場合もあります。
ED治療薬の服用は、有効性や手軽さに優れており、複数あるEDの治療法の中でも最も多く選択されています。